2006年07月19日

「"It's For You"」

長年アッコちゃんファンをやっていると、「矢野顕子のどの曲が好き?」とよく訊かれるし、私も訊く。

この質問に答えるのが難しいのは、お気に入りを絞り込めないからだけではない。「有名どころから言っとくか」とか、相手によっては、その人が知っていそうな曲から選ぼうと計算してしまうせいもあると思う。あと、「この場合、インストで答えるのは不可だろうか」「歌詞のある曲を言っておいたほうが、歌詞の内容を介して私の価値観も伝わりやすく、私という人間も知ってもらえるかも」とか。余計なスケベ心が働きすぎるのだ。

その結果、いつも選にもれてしまうのがこの曲。ホントは大大好きなのに。

個人的には「ビーナス誕生」というイメージを持っている。水の中、小さな泡が次々と立ちのぼり、上からは光がたっぷり注いでいる。グラスに注がれたばかりのシャンパンみたいにキラキラ透明な感じ。そして、繊細なだけじゃ終わらないダイナミズム。溢れそう、こぼれそう、すっぽり飲み込まれ、いらないものを、洗い流してくれそうだ。

1年間の休業後に出たアルバム『WELCOME BACK』(1989)の第1曲目に収録されたこの曲。まっさらで力強いこの曲をリアルタイムで聴いたファンの人たちは、彼女の復帰をどんな気持ちで受け止めたのだろうか。

(作曲:Pat Metheny, Lyle Mays アルバム『WELCOME BACK』(1989)に収録)


posted by かなへ at 22:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 楽曲レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです☆

It's for youもそうなんですが、このアルバムはジャズ性(まさにジャズですね)が高く、あっこちゃんがいかに気持ちよく生きているか、あっこちゃんのベースはジャズだな、というのがよくわかりました。

「愛してる いつの日も」というフレーズは耳を離れず、そして心に深く刻まれました。

キャッチコピー?の「体張って作りました、体張って聞いてください」?だったかな?(間違ってたらごめんなさい)とてもインパクトあり、でした。

先日、とあるきっかけであっこちゃんファンの方とお知り合いになれました。
わたしんちへ来てCD見せると「!こーんなに出してるのね!」とのこと、ずるずるとあっこちゃんワールドに引きずりこんでいます(^^)







Posted by pon at 2006年07月20日 09:59
ponさん、お久しぶりです(^^)

「いかに気持ちよく生きてるか」というくだりにとても納得。このアルバムののびやかな感じは、何とも言えませんね。

「体張って作りました、体張って聞いてください」、アッコちゃんらしいコピーだなあと思います。中古CD屋で、ジャケットの感じとそのコピーに惹かれて手にした高校生の頃のことを今もはっきりと覚えています。それがアッコちゃんとの初めての出会いでした。

ponさんのお友達は、これから古いアルバムなんかも聴いていかれるのでしょうか。CDを貸してあげた相手がどの曲(やアルバム)を気に入るかを知るのも、CDを貸す楽しみのひとつですね(^^)
Posted by かなへ at 2006年07月20日 21:30
素晴らしい曲ですね。
リアルタイムで聴いたひとりです。
大学生の秋でした。
今も、その秋の空気・景色を思い出せます。

JAZZを思いっきり楽しみながら、繊細な音を紡ぐ。
矢野顕子の、ディープな矢野顕子らしさがにじみ出て、大好きな曲です。
歌詞を、英語にすると、おそらく、
ほんとうに、しっくりくるのでしょうね。
日本語で、ストレートに「愛してる」と繰り返すところが、矢野顕子らしくて好きです。
Posted by armadillo_n at 2006年08月20日 23:11
コメント、ありがとうございます(^^)
大学生の秋にこのアルバムのこの曲と出合われたのですか。う〜ん、素敵ですね!!

私も、この曲をはじめ、『Welcome Back』全体に漂うジャズっぽさが大好きです。
この曲を初めて聴いた高校生の頃は、「あいしてる」という日本語の歌詞が照れくさかったりしたのですが、そうですね、あれほどジャズしている曲にシンプルな日本語を乗っけてしまう自由さは、おっしゃるとおり「矢野顕子らしい」なあって思います。私も好きです。
Posted by かなへ at 2006年08月20日 23:33
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