2006年03月12日

ニューアルバムができたよ

アッコちゃんが素晴らしいニューアルバムを出しました!!
アルバム名は『はじめてのやのあきこ』。収録曲は7曲と少なめですが、そのうち6曲は、アッコちゃんがこれまでの名曲をゲストのミュージシャンの方々と一緒に歌うという企画。アッコちゃんはもちろんのこと、豪華ゲストの皆さんの軽々とした大物ぶりに度肝を抜かれる1枚です。何だかじっとしていられず、アルバムのレビューを書いてみることにしました。

1「自転車でおいで」 ゲスト:槙原敬之さん
アッコちゃんと佐野元春さんが歌ったこの曲が春風なら、この「自転車でおいで」は秋風のような感じ。出だしの和音が、アッコちゃんの歌には珍しい感じで、少し驚いた。淡いオレンジ色の音。またこの音が槙原さんの柔らかで幅のある声によく合うのだ。槙原敬之さんと言えば、彼が出したアルバムに収録されていた「ごはんができたよ」のカバーはほんとに良かった。炊きたてのご飯の白い湯気のような声。

2「中央線」 ゲスト:小田和正さん
今まで、小田和正さんの声は純度が高すぎる気がして、ちょっと近寄りがたく感じていた。
けれど、この曲を聴いて、まず最初になんて優しくギターを弾く人なんだろうとびっくりさせられた。イントロのピアノとギターの重なり、ほんとうに電車がガタゴト走る音みたいだった。電車の音に誘われて過去を思い返す場面が、映画のように立ち上がってきた。おまけに腰砕けになりそうなほど美しい、透明だけどつややかで丸い声。小田さん苦手なんて思ってごめんなさい。アッコちゃんがあなたと歌ったこの曲が、このアルバムでいちばん好きです。

3「PRESTO」 アッコちゃんソロ
アッコちゃんの純情をみごとに引き出した岸田繁さん(すごいよシゲルさん!)。シングル版の色んな音が入って瑞々しさ全開の「PRESTO」もいいけど、このピアノソロの、まだ誰にも知られていない生まれたての気持ちをこっそりいつくしむ感じも、違った瑞々しさがあって素敵。今さらながら、アッコちゃんのファンをやっていてお得な点は、1曲で何粒も美味しいところなんだよねえと改めて思った。

4「ごはんができたよ」 ゲスト:YUKIさん
全7曲のこのアルバムのちょうど真ん中にこの曲は置かれている。いい位置だなあと思う。男性ゲストとの共演、男性的な上原ひろみさんのピアノ、ほんの少しの緊張感とともに耳をすましてしまうアッコちゃんのソロの間に、ホイッと投げてよこされるかのようにこの曲が軽やかに飛び込んでくる。YUKIさんがアッコちゃんの曲をよく聴いてきた人なんだということは、この曲を聴くとよくわかる。アッコちゃんのリズムが、アッコちゃんの声の強弱が見事なくらい彼女に染み込んでいる。

5「架空の星座」 ゲスト:井上陽水さん
井上陽水さんの歌は、飄々としながらぬめりけがある。アッコちゃんの歌は、自由奔放かつエモーショナルなようでいて、いつもかすかに一点の乾きがある。ぬめりけと乾き、悠々と大人な二人の夢の競演。おおきなおおきな紺色の夜空。手足を投げ出して眠る、いいかんじに沈むベッド。

6「ひとつだけ」 ゲスト:忌野清志郎さん
今度のアルバムでアッコちゃんがキヨシローさんとこの曲を歌うと知ったとき、ぎゅんぎゅんロックしている「ひとつだけ」が聴けるのかと予想していたが、このアルバムに収められていたのは、テンポを落としてピアノ伴奏で歌われていたそれだった。この曲のメロディー(特に前奏)の美しさがよく伝わるテンポだと思う。すごい。たえず小刻みに揺れながら、歌の世界をまっすぐに伝えてくる清志郎さんの声が私は大好き。そして、この歌を歌っているときのアッコちゃんはやはり特別という気がする。

7「そこのアイロンに告ぐ」 ゲスト:上原ひろみさん
2台のピアノが2台のアイロンになって、アッという間にカンカンに温度を上げる。2台のピアノが黒い炎をあげ、私をペロリと呑み込む。2台の黒のスポーツカーになって、後ろからぐいぐいあおってくる。この曲からは何かが出ている。麻薬的な恐ろしい物質が。


ところで、今回のアルバムを聴いて、小学校のとき、音楽室のグランドピアノの中を覗き込んだことを思い出した。ピアノの音はガラスのようにキラキラしているのに、中には小さな長方形の木がいっぱい入っていることが驚きだった。しかし、今回このアルバムを聴いて、そのことに強く納得してしまった。ピアノの音に木のぬくもりがある。樽の匂いのしみこんだウイスキー味。ぬるめのお湯にゆっくりつかっているような。


posted by かなへ at 14:57| Comment(10) | TrackBack(1) | ヤノアキコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うそーん、ニューアルバム出たのね、聴きたい!とくに清志郎さんとの「ひとつだけ」はbeautiful songs で聴いてすばらしかったので期待してます。
さっそくネットで注文します。でもフランス届くまで10日はかかるんだな。
Posted by さとこ at 2006年03月12日 19:06
お久しぶりー(^^)
ニューアルバムいいですよ!! ほんとにいい。ところでこのアルバムのタイトル『はじめてのやのあきこ』ってどういう意味なんでしょうね? アッコちゃんを初めて聴く人の入門としてgoodという意味なのか、「こんな矢野顕子は初めてだ!」とアッコちゃんに親しんできた人が感じるようなアルバムという意味なのか。どちらでもいいのかな?

ところで、「ひとつだけ」が歌われてたbeautiful songsは、2回目のほうですよね? 清志郎さん出てましたっけ? フジロックの忌野顕子のこと??
Posted by かなへ at 2006年03月12日 19:59
・・・実はまだあっこちゃんのアルバム買ってないのです(^^;)私のお誕生日(5月)までガマンガマン・・・

今日CSでさとがえるのライブプレミア(music on tv)してました。
去年の生放送観れなかったのでしっかり拝見。

キヨシローさんとの「ひとつだけ」聴いてウルウル〜です。

「ひとつだけ」は私の解釈で、「恋愛」に近い想いがあったのですが、お二人の「ひとつだけ」を聴いて「友情」もあるよね、と納得。
ものすごく心に響きました。
あと「ごはんができたよ」も。

「いいひとの上にも わるいひとの上にも 静かに夜はくる みんなの上にくる」ってところでぐっと・・・(泣)


Posted by pon at 2006年03月12日 21:07
よさそうなアルバムですね。
聞いてみようかなぁ。
Posted by MISU at 2006年03月12日 22:51
前回のコメントでBeautifulsongs としたのは勘違いで、なんかの清志郎スペシャルでした。二人とも大人なのに、歌ってる姿が超かわいかったのが印象的でした。
Posted by さとこ at 2006年03月13日 15:55
ponさん
清志郎さんとアッコちゃんの「ひとつだけ」に友情を感じたとのこと、そう、私もこれまで「ひとつだけ」って、片思いか付き合い始めの女の子の恋の歌かと思って聞いてたんですが、このバージョンは、それ以上の絆の強さを感じますよね。5月のお誕生日が楽しみですね(^^)

MISUさん
いいアルバムですよ!! 今ならCD屋さんで試聴できるんじゃないかな。発売されたところだし。お試しあれ♪

さとこさん
「二人とも大人なのに、歌ってる姿が超かわいい」って、すごく想像できる!! だから大好きなんだよね…。
Posted by かなへ at 2006年03月13日 22:13
CD買いました。清志郎との「ひとつだけ」いいですねえ。デュエットして互いに良さを引き出している感じです。
Posted by シロクマ at 2006年03月16日 00:41
アッコちゃんと清志郎さんは、ほんとに息がぴったりですよね。互いに良さを引き出している、ほんとですね。対話しながらどんどんふくらんでいってるみたいな感じがしますものね。
Posted by かなへ at 2006年03月16日 21:06
キヨシローさんと矢野さんの ひとつだけ その昔 へんたいよいこの大集会で一度歌われたと聴き、いけるはずもないわたしは悔しがったのでした。先月ナニワサリバンショウで生で聞くことがかなって感激しました。ええ曲じゃーーーって。そしてこうしてパッケージになってまた聴ける。しあわせ。
Posted by ちはる at 2006年03月16日 21:40
生「ひとつだけ」withキヨシロー、素敵だろうなあ!! いきいきした二人なので、ライブで聴くと、絶対面白いと思いますもん! 今ちょうど『はじめてのやのあきこ』聴きながらコレを書いています。ホントええ曲じゃーーー、ですね。
Posted by かなへ at 2006年03月18日 11:14
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はじめてのやのあきこ/矢野顕子(YCCW10021)
Excerpt: プロだなあ。7曲と収録曲は少ないながら、ピアノ弾き語りの一発取り。ちょっとしたスタジオライブだ。しかも超大物ゲストとデュエットしており、ゲストも必然的に一発取りなわけで、そりゃあ緊張感高い分、「ベ..
Weblog: The Dude
Tracked: 2006-03-16 00:38