2006年08月16日

夏の読書〜『優しい音楽』

図書館の本の返却期限が昨日だったので、あわてて返しにいく。で、また新しいのを借りてくる。

瀬尾まいこさんの本が読みたくて物色する。彼女は中学の国語の先生をやりながら作家活動をしているそうだ。私の大好きな友人と下の名前が同じで、おまけにその友人も中学校教員をやっている…そんな、作品とは何の関係もないところで以前から親しみを持っていた。「いつかそのうち」と先延ばしにして、代表作を読んだことがなかったので、今度こそと思い、サ行の作家の棚へ。しかし、彼女の代表作は、残念ながら出払っていた。残っていたのは1冊。『優しい音楽』。短編集である。

この本が出た頃、題名と装丁に惹かれて本屋で立ち読みしたので、表題作は読んでしまっていた。でも、好きな作品なので借りた。ラストシーンを知りつつの再読。女の子の語りの部分に、かすかに伏線が張ってあったんだ…気付かなかったなあ。物語を読み終えたあと、この題名を振り返ると、じわーっと幸せな気持ちになるところが何度読んでもいいなと思う。

『優しい音楽』という題名は、この作品のクライマックスシーンのことを指しているのだと思う。けれど、それだけじゃなく、物語全体の流れにもうまく合っている気がする。最初はちぐはぐなやりとりをしている付き合い初めの2人が、互いを知る過程で瑣末な違い(食事に関することが多い)に驚き合い、ものの見方が増えたと面白がり、やがてはそれぞれを最も心地いい存在と認識する。徐々に息が合って、きれいな協和音となめらかなメロディーを持つ「二人のハーモニー」が奏でられるまでのようすが描かれている。それを支える二人の会話の運び方も好き。馬鹿馬鹿しすぎず、あまり色気はないけれど、サバサバしてるとか冷めているというわけでもなく。このへんにも親しみを感じてしまうのかも。





posted by かなへ at 16:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 不器用貧乏暇なし日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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